立正佼成会カンボジア法座
今回の交流会に参加して下さったのは、ヘインさん他5人の方で、プノンペンにあるタヤマ日本語学校という無料の学校に通っていて知り合いになった方、立正佼成会学校に入り日本での留学経験もある方など、皆さん何かしら日本と繋がりのある方で、片言ながら日本語で自己紹介をして下さいました。
月に1度、主に日曜日に集まり、立正佼成会の仏教講座のビデオを観て仏教の理解を深め、それについてどう思ったか、またどのように生きて行くべきかを話し合っているそうですが、なぜこの会に参加しているのか?との問いに、仏教が学べるのと同時にお互いの生活で困ったこと、楽しかったことなどを共有し、時には悩みを相談し皆で考える、分かち合いの場にもなっている、ということでした。
また日本語の勉強になるから、というのも動機の一つにあるようでした。
カンボジアでの仏教や道徳への認識については、学校でもテレビでも、仏教のお話は必ず出てくるし、道徳の時間もあるが、実践の仕方などは教えていないのではないか、とのこと。
そしてお葬式や仏教の儀式などでは、お坊さんが四苦の話などをするので、皆仏教が好きだし内容についても良く知っているが、実際の生活と結びついていないのではないか、との意見が出ました。
「ただ知ることだけでなく、気づくことが大切」(セタリン先生の言葉)
また最近盛んになっているキリスト教の布教活動について、キリスト教やその布教活動自体は悪いことではないが、そのためにご先祖様にお線香を上げたりしてご供養することができなくなってしまう、またはしてはいけないと言われるのはおかしいし、両親も子供がご先祖様を忘れてしまうのではないかと、それを心配している。
自分たちの(立正佼成会の)集会も、そのようなものと同じようにとられてしまう危険性がある。
やはりカンボジアでは仏教が浸透しているので、その方が自然だと思う。
キリスト教は「神との契約」という形で教えが広まるが、仏教では自然や法(ダルマ)が最も尊ばれており、それは誰が作ったものでもない、私たちはその法に帰依するのであって、考え方が絶対的に違う。
カンボジアでは年を取ってから仏教の道に入る、と考えている人が多いが、こういったことは若いうちに学んだ方が良いと思う。
[endif]--「キサーゴータミー」の紙芝居を観て、
よいお話だと思う、このストーリーはお釈迦様の基本的な教え。
この紙芝居をアニメ化してテレビで流したらどうか?
お坊さんの説法だけでは子供たちは飽きてしまうし、頭に入らない。もしアニメの形で観ることができたら、もっと楽しんで学べるし頭に入ると思う。
自分自身も祖母が亡くなったとき、あまりの悲しみになかなか受け入れることができなかった。このお話を観てそのことを思い出した。
頭では分かっていても、実際にその状況に立たされると受けとめられなかった、ということは(仏教の)教えを実践できていなかったのだと気づいた。
そのような体験をしたとき、上手く受け入れられない場合は、誤った方向に行ってしまう可能性もある、そうならないためにも若い頃から(仏教を)学んだ方が良いと思う。
などの意見が出ました。
(自分でも他人でも)死を受け入れる、ということに関して、
例えば遠い関係の人のお葬式の時など、自分とは関係ないこととして考えがちだが、
それを人のことでなく自分のこととして考えてみることが大事。すると自ずと人間が生きている時間はとても短い、そして人間は必ず死ぬ、という事実に行き当たる。そのことを明らかな事実として受けとめることで、その短い人生をどのように生きて行くか、より意味深い行き方ができるようになる。
紙芝居上映や仏教絵本の配布について、
お釈迦様の教えを子供たちに届けることはお布施なので、ぜひ自分たちもやって行きたいと思う。来年の3月には地方の村でボランティア活動をしようと思っているので、その時にぜひやりたい。
今の若いカンボジア人の中で、人のために何かしたい、ボランティアをしたいと思っている人は多いと思う。実際いろいろなボランティア団体があり若い人が多く活動している。
参加者の一人Sley Maoさんという女性
友人と3人でグループを作り、地方で学校が遠くて通えない子供のために、自分たちの給料からお金を出し合い、プノンペン市内にアパートを借りてあげている。
そのかわり学生には自主的に村をきれいにする活動をしてもらう。
また週に1度連絡を取って、勉強や生活の様子などを聞き、本を読んで感想などを書いて送ってもらったりしている。
常にコンタクトを取り続け、お互いになるべく情報交換するようにしている。
またクラティ州では学校の授業以外にも、先生に月10万リエル(2,500円)払って子供たちにお絵描きや音読のようなことを教えてもらったり、NGOなどにお願いして絵本を分けてもらったりしている。
「このような活動が他にもどんどん増えていけばよいと思う。」と頼もしいお話をして下さいました。
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